ランカウイ島へはトンボの予備知識ゼロで出かけた。従って蝶のポイントをめぐりつつ、そこで出会ったトンボにカメラを向けた。

とはいうものの青いハナダカトンボがいるらしいことは分かっていたので、流水域ではそれを探した。その結果1か所だけ、その青いハナダカトンボ（Heliocypha biforata）がいる流れを見つけた。

下のようなジャングルの中を流れる渓流と、少し下流の公園となっている区域だった。

マレー半島にはもう１種類青いハナダカトンボ（Heliocypha perforata）がいるようだが、オスの胸部前方にあるピンク色の斑紋が本種のチャームポイントである。英名もMagenta-backed Jewel。

しかしこの斑紋は角度や光線の加減で、写真のようにうまく写らないことがある。

後翅は光の角度によって紫色の光沢を放つ。

メスは少し地味である。ここでは雌雄何匹も岩にとまっており、オスは時にバトルを演じていた。

しかし交尾と産卵は朝、夕に行われるからか、目撃できなかったのは残念だった。

ここでは少しだけ日が射しこむ暗い林でVestalis gracilisと思われるホソカワトンボの仲間がいた。この仲間は翅に縁紋がない。極めて敏感でじっくり撮影できなかった。